短期賃貸借の存在も、申立債権者らにとっては、権利行使上の障害となるものであるから、短期賃貸借に対する対策は、保全的措置の一環として検討しなければならないことがらである。民法395条により、土地については5年、建物については3年の期間を超えない賃借権は、抵当権の登記後に対抗要件(条文は登記となっているが、借地借家法10条、31条の対抗要件でもよいとされている)を備えたものでも抵当権者に対抗できるとされている。
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この賃借権がいわゆる短期賃借権といわれているものである。短期賃借権が認められた趣旨は、抵当権設定後においても期間の短い賃借に限っては、その対抗力を認め、賃借権と利用権の調整を図ったものであるといわれているが、実際には、この短期賃借権が濫用され、不動産競売の適正な運用の妨げとなっているのか実情である。短期賃借権は、実際には、目的不動産の所有者と賃借人とが通課して、抵当権の実行を妨害する意図で悪用されているものがほとんどであるといって過言でない。このような短期賃借権の設定は、差押えの直前に集中しており、これは経済的に破綻した目的不動産の所有者と、そのような窮状につけ込んで、抵当権者を害することによって利益を得ようとする悪質債権者、競売ブローカ一等が結託して行なうためである。したがって、賃借権の内容も多額な敷金、期間内賃料一括前払いなどと不当なものが多い。