東京の原宿に痩身サロンをオープンしていたころは、モデルやタレントといった職業の女性たちが多くやってきました。三日後のパーティーまでに、あるいは一週間後のオーディションまでに何キロもやせなければならないというような無理な要望がよくありました。職業上の切羽詰まった問題とはいえ、ほんとうにそこまでする必要があるのかしらと首をかしげたこともしばしばです。彼女たちの日常の「減量努力」を聞いたときの驚きはいまも忘れることができません。たとえば、彼女たちも年ごろですから、恋人と食事をしたり、ケーキを食べたりもします。そんなとき、少し食べすぎたりするとレストランのトイレに駆け込み、のどの奥に無理やり指を突っ込んで食べたものを吐きだしてしまうそうです。それでも満足できず、万全を期すために、帰宅後に強力な下剤で胃のなかをからっぽにします。また、家での食事も食べ物をかむだけで飲み込まないようにする、といいます。ここまでくると、まさに異常な食生活としかいいようがありませんが、それでも本人たちはいたってまじめ。それがあたりまえと思っているのですから、とんでもないことだとしかいいようがありません。このようなことを繰り返しているため、彼女たちは少し食べただけでもすぐ太る体質になってしまっています。結果的に、三日後、一週間後などの、目先のオーディションやイベントのため、エステサロンに駆け込むはめになっていたのです。